だいたい吉祥寺に住まう

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ひとり読書会

2024.03.21 更新

しんがりで寝ています

三浦しをん著
集英社 2024

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オシャレな雑誌「BAILA」に連載している三浦しをんさんのエッセイが本になった。
タイトルと表紙の様子から、彼女のファンなら『のっけから失礼します』の次作だとわかってしまうな、どれどれと思いながら手に取ってみる。連載期間は、約4年間分とのことでちょうどコロナ禍とかぶった時期である。
いうまでもなく作家は執筆をするのが仕事だから、コロナ禍もあいまって自宅内や自宅周辺で起こったことがネタとして作品中で取り上げられることが多い。
さすがは人気作家、普通の人々の様子から、その人たちの特性をきっちり見つけて、読者にうまく伝えてくれる。いや、三浦しをんさんが、その相手との会話などから面白いことを引き出してくれているんだな、きっと。しかし、それだけではない。
あまりネタばらしをしてはいけないが、三浦さん自身も面白いのだ。ピカチューのでっかいぬいぐるみに話しかけているのは可愛すぎるし、外で足をぶつけて爪が剥がれた時には気の毒であまりに痛そうなのに、医者に行った時の三浦さんの医師への観察具合でこちらがつい笑っちゃう。
痛い話なのに笑って申し訳ないと心から思うのだが、作家の力量にはめられて笑うのだから仕方ない。ご実家のお近くにお住まいのご様子から、親孝行なんだろなと勝手に想像するのに、その気配がほとんど伝わってこないのもさすが作家様、と勝手に感心してしまう。お父様の栽培するキウイも気になるし、ご自宅のハチの巣というかハチの別宅について更なる続報も気になる。近くの家にハチの巣はできていないか、とかね。
そういえば、今回は三浦・弟さんがほとんど登場しないなあと思いつつ、ネタにしないでくれとでも苦情が来たのかな、なんて勝手なことまで想像して立ち入りたくなるほど、三浦ファミリーや三浦フレンズについてちょっと詳しくなってきた。(それ、いいのか?)
早く読み進めたくて、移動中の電車でページをめくってから、しまったと後悔した時には笑い声を抑えるのが苦しかった。本の帯に「電車で読むのは危険です。」と記されているのは、本当に当たっている。

2024.3.14(M)

星評価 4.5