インスタグラムのアカウントでは、このところチュニジアの写真を公開している。
北アフリカにあるチュニジアは、ローマ史を研究してきた自分にとって、重要で魅力あふれる場所である。
2009年のこと、東京大学に所属している教え子たちと行ったこの地で、旅程の前半に足を骨折してしまい、病院に入院した。
まさかの、うっかりした怪我である。
心細いやら情けないやら、当時のさまざまなことを思い出す。
現地の言葉による治療に関する説明も十分理解したとも思えないまま、その後はギブスと松葉杖で動ける範囲を回った。もちろん、同行者たちにも迷惑と心配をかけた。
モダンジャズの名曲「チュニジアの夜」を聴くと、今でもふとあの病院で不安だった記憶がよぎるのだった。

