主人公の男、何だか変わっている人物だ。人と交わるのが苦手、会計士という数字を扱う仕事をしていて、かなり頭の切れる印象、そしてどうやら裏の仕事もしているらしい。体つきもタフである。
物語が進むにつれて、この男はとんでもない奴だとわかっていく。主人公クリスチャン・ウルフを演じるのは、ベン・アフレック。表情をあまり変えずに、腕っぷしの良さを見せつけ、人知を超えるようなスナイパーぶりに、観ている側の呼吸が浅くなるようだ。
クリスチャンは、裏の仕事を引き受けるために、幾つもの偽名を使っており、収入も見えにくく隠している。そして、金融犯罪に関わって犯罪組織を潰す行為を行なっているのが政府関係者のひとりに把握され、裏の世界で「会計士」と呼ばれるクリスチャンが誰なのか探ることを政府側の分析官であるメディナに密かに課せされる。クリスチャンが何者なのか、誰が敵で味方なのか、家族はどうなっているのかなど、観る側の疑問はなかなか解消されないが、メディナの調査と共にこちらも多くの事実を知ることになっていく。
大企業の不正を1日で見破り、命を狙われる羽目になった会計士、その会計士が助けることになる女性への対処やサプライズのプレゼントなど、見どころは散りばめられている。
キャンピングカーに興味のある人なら知っているエアストリームも出てくるし、これが秘密基地みたいに使われているのも豪華だ。
映画の終わりにはたくさんのピースがはまって、クリスチャンの人物像がある程度見えてきて、「そうきたか!」という爽快感もある。
Amazonプライムで、前情報なしに何となく観たらびっくりするほど面白かった作品である。日本公開時にどれだけ評判になったか思い出せないのだが、たぶん私と同じように思う人がかなりいそうな気がする。すでに『ザ・コンサルタント2』(2025)もアマプラで配信しているので、すぐに観る予定だ。この作品を知ったあとなので、劇場で観たいけれど、配信公開らしい。アクション好き、謎解き好きなら観て欲しい映画です。
2025.6.27(M)