前作では秘密を抱えているニヒルさもあった主人公ハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)が、本作になると妻にも過去を知られており冷めていた夫婦仲も回復したようで、家族愛たっぷりになっている。それでも前作最後にやらかした事件の後始末でかなりの借金ができてしまい、それを返済すべくコツコツと裏稼業は続くのだが、あまりのハードワークで家族間がぎくしゃくしていき、思い切って休暇を取って家族旅行をすることになる。
子供の頃に父に連れられ楽しかった思い出のあるリゾート地に、ハッチと妻、子供2人、そして老人ホームにいる父デイビッドとを伴い出発する。
ここで何も起こらなければ、もちろん映画にはならないわけで、小さないざこざに巻き込まれるせいでハッチがどうも素人じゃなさそうだと現地のコワイ系の人々に知られてしまう。ハッチは静かに家族たちとの旅行を楽しみたいだけだったのに、家族が嫌な目にあったら本気のスイッチを入れるしかない。リゾート地でハッチは、家族を守り悪の組織に対抗することを選んで壮大なバトルが始まってしまうのだった。
一見するとかなりの高齢者である父デイビッド(クリストファー・ロイド)は元FBIでショットガンの名手、映画ファンなら『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクが、銃を振り回す姿だけでも「お〜!」となりそうだ。ハッチの妻(コニー・ニールセン)は『グラディエーター』の美しいヒロインで『グラディエーター2』では苦悩しつつも高貴で慈愛に満ちた役どころだった。本作ではビジネスをしながら主婦業をこなしているはずが、もしかして銃の名手かもしれない片鱗が見えてしまい、次作に繋がりそうな予感がする。
『氷の微笑』で一世を風靡したシャロン・ストーンは本作で怖い組織のボスだが相変わらずの美しさにはびっくりさせられる。
映画を楽しむ気楽さってこんな作品を観ることにもあるよなあ。感動とか深い意味合いを求めて映画を観たい時はもちろんあるけれど、ばかばかしくてスカッと笑って、昔から知っている俳優が今も元気でスクリーンに登場するのを楽しめる気楽さを、もっと大事にしたいなとも思える作品だった。2025年10月公開なので上映している映画館はもう少ないけれどネット配信でも楽しめるので、何を観たらいいか迷った時に選んで欲しい。
ドクを見るだけでも得した気分になれるかもしれない。
2026.1.7(M)





